1977年の創業当初、土木、舗装、建築を中心とした総合建設業を目指し、歩を進めていました。創業者 利部靖彦が前職時に、東京オリンピック(1964年当時はアンツーカー舗装)後の国立霞ヶ丘陸上競技場の全面改修で、初めてタータンが採用されたときの主任技術者だったことがご縁で、ポリウレタン樹脂でのウレタン舗装を施工させていただくことになりました。
当時はまだ材料も施工方法も完全には確立されておらず、メーカーさんの協力のもと、材料の選定、開発から着手し施工しましたが、失敗しました。AS舗装の下地処理、材料や配合、施工方法などを検討しなおし、すべてをやり換えて、無事に納めることができました。これが当社の芽生えです――そのときの責任感と探求心は、いまでも脈々とつづいています。
それ以来、ポリウレタン樹脂系の全天候型ウレタン舗装のトラックや、テニスコートのお仕事をいただくようになり、現場に合わせて、ゴムチップ舗装専用のフィニッシャーを開発して自作(弾性舗装材類の舗装施工装置 特許第3943243号)するようになり、特殊舗装に特化していくことになります。金ごてに油を塗って抑えていたものを、電線につなぎ、さらにはガスバーナーに切り替えたことにより(舗装材用熱こて 特許第4050826号)、施工量が飛躍的に伸び、ゴムチップ舗装が一般化してきました。
※意匠登録の類似品にご注意ください。
材料や工法が確立されてきたウレタン・ゴムチップ舗装ですが、舗装構造全体として考える必要があります。社会的に求められる要件も、より安全性を重視するように移り変わり、まだまだ課題があり、発展の途上にあります。また、近年は世界的情勢により、自動車業界でも苦戦するほど、ウレタンの大もととなる原料が日本に入荷しづらい状況が続き、メーカーさんには大変な苦慮をいただいております。
ウレタン舗装の黎明期から、ともに歩んでいただいているメーカーさんとの信頼関係を基に、より利用者様の期待を上回れる商品開発と、中長期的な課題の解決に取り組み続けています。
課題解決に取り組むには、技術継承が大前提となります。若い担い手不足の問題が社会的問題になってひさしいですが、建設業の中でも特殊な業態である当社ではなおさらです。自社での責任施工の体制を続けていくためにも、積極的な採用活動と、腰を据えて安心して働ける社内環境づくりをすすめています。
利用者様目線でさらに良い設計、工事を納めるための努力と探求を惜しまないことが、事業活動のみならず社会貢献活動、地域防災活動などにつながり、結果としてステークホルダーの皆さまへの責任を果たしていくことになると考えております。
今後も汗をかき続けますので、より一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役 利部岳彦